車は走るためにガソリンが必要です。ガソリンをエネルギー源として、エンジンを動かすエネルギーを生み出して走っています。
人間の体も同じで、体を動かすためには、エネルギーが必要です。このエネルギー源となるのが食べ物です。食べ物を摂取して、消化・吸収してエネルギー源として体のさまざまなところに蓄えておきます。
そして、必要に応じて、蓄えられたエネルギー源をエネルギーに変換して体を動かします。なお、体を動かすことに使ったエネルギー源は体内からは無くなります。
つまり、体を動かすのに必要なエネルギーを体内に蓄えておかないと、エネルギー不足になって、うまく体を動かせなくなると言えます。
逆に、消費するエネルギー以上に常にエネルギー源を過剰に体に蓄えすぎている状態が肥満と言えます。
エネルギー源となる栄養素
食べ物は、さまざまな栄養素から成り立っていますが、エネルギー源になるのは、たんぱく質・脂質・炭水化物の3つです。これを三大栄養素と呼びます。
ただし、食べた食物の栄養素をそのままの形では、体に蓄えられませんので、消化・吸収を通して、体に蓄えておける形に変換して体内のさまざまなところに蓄えられます。
これらのエネルギー源を、体を動かす際に必要に応じてエネルギーに変換することになります。
体を動かすためにエネルギーを生み出す=エネルギー代謝
体を動かす際に、体に蓄えられたエネルギー源をエネルギーに変える一連の化学反応をエネルギー代謝(エネルギー産生)と呼びます。
生み出されたエネルギーは体を動かすために消費されます。
ここで言う「体を動かす」というのは、何も運動することだけではありません。体の働きによって、大きく3つに分けることができます。
1.生きていくために必要な基本機能を維持するための代謝(基礎代謝)
心臓を動かしたり、呼吸をしたり、体温を保ったりという、生命維持のための基本的な機能のためにエネルギーを消費します。
2.からだを動かす際に起こる代謝(活動代謝)
運動はもちろんですが、家事や仕事、娯楽など、ちょっとしたことでも体を動かすにはエネルギーを消費します。
3.食事を摂ることで起こる代謝(食事誘導性熱産生)
食物を噛んだり、消化吸収したりすることによって生じるエネルギーの消費です。
基礎代謝は、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
簡単に言うと、特別何もしなくても、じっとしているだけで消費されるエネルギーです。
最近では、基礎代謝で一日どのくらいのエネルギーを消費しているかを表す基礎代謝量を測定できる家庭用体重計も増えてきています。
激しい運動をするアスリートは、基礎代謝に加えて活動代謝がかなり多くありますので、一日に多くのエネルギーを消費していると言えます。
人が体を動かす際には、エネルギーを消費しているということをしっかり意識しておきましょう。