様々な事情で、無理な減量をしてしまうアスリートも少なくありません。今回は、そのような無理な自己流ダイエットの危険性を考えてみます。
エネルギー不足になる
減量のために極端に食事の量を減らしてしまうと、全体のエネルギーが不足してしまい、必要な筋肉まで衰えてしまいます。その結果、コンディションが不安定になったり、パフォーマンス低下を招きます。
筋力低下につながる
エネルギー不足に陥った身体は体内のグリコーゲンやアミノ酸を分解し、エネルギー源として利用します。たんぱく質を摂っていても全体のエネルギーが不足している場合、たんぱく質は筋肉にはならずに生命維持のエネルギー源として利用されてしまいます。その結果、筋量はどんどん減少し貧弱な体型へと傾いていきます。
さらに、エネルギー源となる糖質が足りていないことで疲労が溜まり、パフォーマンス低下をも招きます。
健康を損なうリスクがある
無理な減量はパフォーマンスの低下ばかりではなく、健康を損なうことにもつながります。
とくに女性アスリートが極端な減食を行なうと、 月経障害や骨密度低下、摂食障害を引き起こすリスクが高まります。そのため、普段から激しい運動を行う女性アスリートの減量については慎重に計画を立てる必要があるでしょう。
自己流ダイエットは危険
すぐに体重が減っていくようなダイエット法は、飢餓状態であり、健康的だとはいえません。専門の管理栄養士がついているアスリートであればきちんとした指導を受けることができますが、そうでない方や多感な時期にある学生・ジュニアアスリートなどは、自己流のダイエットを実行するケースが見受けられます。
また、本人はダイエットをしているつもりはなくても、無意識に食事を控えているケースもあります。保護者や周囲のサポートというのはとても大切な要素なので、スポーツをしているお子さんを持つご家庭では、とくに気をつけて見ていただきたいと思います。