鉄は酸素の運搬・酵素の活性化に関わり、人体に欠かせないミネラルのひとつです。
機能鉄と呼ばれる鉄は筋肉中のミオグロビンにも存在しており、不足すると筋肉の疲労を感じることも。アスリートにとって、鉄は重要なミネラルでもあります。
女性アスリートは貧血になりやすい?
ハードな運動を行うアスリートは、発汗による鉄の喪失、強い衝撃による赤血球の損傷(溶血)、骨格筋を動かすための酸素需要の増大など、鉄欠乏になりやすいリスクを抱えています。
加えて、月経のある女性は男性に比べて貧血になりやすいので注意が必要です。
鉄不足による貧血を「鉄欠乏性貧血」と言い、めまいや頭痛、疲れが取れないなど身体の不調・パフォーマンス低下を招きます。
鉄分が多い食材は?
鉄分が多く含まれる食材は、レバーやあさり、カツオなど。そのほか、ほうれん草や高野豆腐にも多く含まれます。
鉄分摂取のポイント
動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」に比べ、植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」は吸収されにくいという特徴があります。
野菜から摂取する場合は少し工夫が必要ですね。そこで、鉄の吸収を良くするためのポイントをいくつか紹介します。
肉や魚などの動物性たんぱく質をとる
鉄は動物性たんぱく質と一緒に摂ることで吸収が促進されます。
まずは主菜となる肉や魚をしっかりと食べること。そこに、ほうれん草のおひたしやひじきの煮物などの鉄分を含む食材を副菜に加えてみましょう。鉄の吸収を促しつつ、バランスの良い食事が出来上がります。
ビタミンCをとる
ビタミンCは鉄分の吸収を助ける働きがあるので、ビタミンCを含む野菜や果物を一緒に食べるのもおすすめです。
コーヒーや紅茶を控える
コーヒーや紅茶、緑茶に含まれる「タンニン」は鉄の吸収を阻害する働きがあるので控えめに。
貧血になる前の予防が肝心
貧血になってから食事内容を見直しても、改善までに時間がかかります。とくに、貧血のリスクが高い女性アスリートは意識して鉄分を補給することが大事。
エネルギー源となるご飯はもちろん、肉や魚でたんぱく質をしっかり摂り、プラスアルファで鉄分を補いましょう。