適切な睡眠をとることは、心身のコンディションを整えるのに大きなメリットがあります。どのようなメリットがあるのでしょうか?
疲労回復・ストレス解消
質の良い睡眠をとることで、副交感神経系の機能が高まり、交感神経系とのバランスがとれます。活動的だった身体をリラックスさせ、休ませることで疲労を回復させます。
また、睡眠はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌抑制につながると考えられています。脳を休ませ、精神的疲労を回復させることで不安感やストレスが減り、精神面を安定させる効果があります。
免疫力の向上
睡眠が十分に取れていないとホルモンバランスが崩れ、免疫機能の働きが悪くなってしまいます。そうなると病気にかかりやすくなったり、ワクチンや薬を飲んでも効果が薄くなってしまいます。睡眠をとることによって免疫力の向上や維持が期待でき、健康維持にもつながります。
傷の修復
睡眠中、入眠直後の深い眠り(ノンレム睡眠)の間に成長ホルモンが多く分泌されます。このホルモンは細胞の修復、代謝調節などを促す役割があることから、皮膚の修復や新陳代謝を活性化させます。そのため傷んだ骨や筋肉など、ケガの治癒を促す効果が期待されます。
記憶力、集中力、思考力の維持・向上
《記憶力》
睡眠には、その日に起きたことや学んだことを脳内で整理し、定着させるメリットもあります。つまり学習や記憶に対し重要な役割を果たしているため、勉強や仕事、ダンスなどの体で覚えるスポーツをする上で睡眠は欠かせません。またアルツハイマー病やパーキンソン病など、神経変性疾患や認知症などの予防にもつながるというメリットもあります。
《集中力・思考力》
質の良い睡眠をとると、しっかりと脳を休ませられるため、疲労が取れてスッキリします。集中力がアップし、次の日の情報処理能力が上がるため、パフォーマンスの向上に繋がります。勉強の際は長文問題や応用問題にも挑みやすくなりますし、仕事の場合はミスが減りやすくなります。
スポーツやダンスの動き、楽器の演奏、習字、作業や技能など、体で覚えた記憶(手続き記憶)は、睡眠後半に増える浅いノンレム睡眠中に定着すると言われており、睡眠によって練習の効果が高まります。
食欲コントロール・肥満防止
睡眠時間が短くなると、食欲に関係するホルモンのバランスが乱れます。食欲を抑制するレプチンというホルモンの分泌が減少し、食欲増進ホルモンであるグレリンの分泌が増えます。そうなると食欲が出て食べる量が増えるため、肥満につながりやすくなります。
また、疲労蓄積や意欲低下などにより日常での活動量が減ったり、睡眠不足により成長ホルモンが十分に分泌されないことで代謝が落ち、さらに太りやすい身体になってしまいます。
肥満になると、糖尿病などの生活習慣病にかかるリスクも上がってしまいます。睡眠不足が血糖を下げるホルモンであるインスリンの働きを悪くするため、糖尿病を起こしやすくするともいわれています。最近の調査では糖尿病の人の40%に不眠があり、不眠症状がある人は、将来糖尿病や高血圧になる確率が症状のない人より2〜3倍高いという報告があります。肥満や生活習慣病を防止するためにも、十分な睡眠をとることが重要です。
適切に睡眠を取り、しっかりとコンディションを整えるようにしましょう。