今回は、アスリートの増量のコツについて取り上げたいと思います。
食べるだけではダメ?増量のコツ
単純に食事の量を増やせば体重は今よりも増えるかもしれませんが、ただ太ればいいのかというと、そうではありません。
アスリートでいう増量は、除脂肪体重を増やすということ。つまり、脂肪ではなく筋肉を増やしていくことを目指します。
そうすると、ただがむしゃらに好きなものを食べればいいわけではなく、何が血となり肉となるのか?考えながら食事を摂る必要がありそうです。
食事のコツ
糖質・たんぱく質をしっかりとる
まずは増量できるだけのエネルギー源となる糖質をしっかり補給します。
糖質もとりすぎると体脂肪として蓄えられてしまいますが、激しい運動をするアスリートが糖質を控えるのはおすすめしません。
なぜなら、糖質は身体を動かす大切なエネルギーになるからです。糖質からエネルギー補給ができないと、身体はたんぱく質を燃やしてエネルギー源にしてしまいます。
アスリートは一般の人に比べてエネルギーの必要量も多いので、増量したい時はたんぱく質だけに頼らず、糖質からもきちんとエネルギーを得るのがコツです。
また、糖質やたんぱく質、脂質をエネルギーに変えるビタミンB群も積極的に摂りましょう。
朝食は抜かない
朝食は無理なく増量をするための大事なタイミング。朝食を抜いてしまうと、その1食分のカロリーを補うことは大変です。
加えて普段の食事より多めにカロリーを摂るとなると、胃に負担をかけてしまいます。
無理なく増量するためにも、できるだけ3食に分けてエネルギーを確保するのがコツです。
3食だけでエネルギーが取れない場合は、間食を利用します。
脂質はエネルギーの20〜30%を目安に
脂質は敬遠されがちですが、脂溶性ビタミンの代謝やホルモンの調整など大切な役割を持っています。
体脂肪が増えすぎないようコントロールする必要がありますが、摂取エネルギーの20〜30%程度を脂質でカバーするのが理想的です。
また、良質なたんぱく質の多くは動物性食品に含まれており、動物性食品はたんぱく質と脂質がセットになっているのが特徴です。
脂肪を避けることに目が行き過ぎると、たんぱく質の摂取量に影響が出やすいので注意が必要です。
例えば・・・
汁物や副菜を工夫する
糖質を増やしたいときは、お米以外の糖質源にも注目してみましょう。
例えば、汁物にうどんやワンタン・餃子など糖質を含む食材を入れてカサ増しをします。
一度にたくさんご飯を食べられないという場合、副菜や汁物を工夫することで、無理なく糖質補給ができます。
脂質を上手に活用する
1gあたり9kcalある脂質は、効率よくカロリー摂取をするのには持ってこいです。豆腐を厚揚げに変える、炒め物に油揚げや肉をプラスするなど、たんぱく質と一緒になっている食材を選ぶのがコツです。
間食する時間を決めておく
アスリートにとって、間食は好きなお菓子を食べるものではなく、足りないエネルギーを補うための「補食」という意味合いがあります。
体に負担がかからないように、間食の時間を決めておくのもひとつの手です。
とくに運動後はたんぱく質を取り入れやすい状態なので、たんぱく質・糖質をメインとしたメニューがおすすめ。この時に粉末状のプロテインを活用するのもいいでしょう。
たくさん食べられない方は、就寝前に牛乳やフルーツなど胃に負担をかけないものを補給します。
長期目線を心がけよう
本来、身体作りはじっくり行うものです。急な体重の変化は体にとっても負担になるので、すぐに結果が出なくても、焦らず取り組むことが大切です。
具体的な準備期間や食事内容については、トレーナーやスポーツ栄養士と相談して決定します。
成長期のジュニアアスリートは、保護者や栄養教諭・コーチなどと話し合い、大人のサポートのもと取り組みましょう。