心理サポートの専門家とは
アスリートの心理サポートと一口に言っても、様々な立場の方がいます。最近ではオリンピックやパラリンピックだけでなく、プロ競技や部活動レベルでも実施しているところが多く、特に注目されている分野の一つと言えます。さらには競技力が向上の一途をたどるなかで、オーバートレーニングや精神疾患などのこれまで以上に心理的側面の課題も多くなっており、これらに対して心理サポートの専門家が求められる状況は多くなっています。
心理サポートの専門家の仕事
心理サポートの専門家の仕事では、精神面での課題が多くなってきている中で、ドクターだけではカバーしきれない部分をカバーすることが求められます。それだけでなく、選手のルーティンづくりや、精神面の安定やパフォーマンスを発揮するメンタルトレーニング、自身を見つめるセルフアウェアなど多岐にわたります。
心理サポートの専門家になるには
心理サポートの専門家になるには様々な方法と資格が存在します。
■メンタルトレーニング指導士
日本スポーツ心理学会が認定するスポーツ選手の成績向上に資する精神面でのスキルアップを目指し、技法指導を中心とした助言指導を行うための資格で、原則として大学院でスポーツ心理学あるいは関連領域(体育・スポーツ科学、心理学など)を専攻し修士号を取得した人が対象となる資格です。
■スポーツカウンセラー
日本臨床心理身体運動学会が認定する資格で、競技場面におけるカウンセラー資格としては国内唯一の資格になります。この資格は、スポーツ競技場面に関わるすべての人々を対象として心理臨床の専門家として認定するものであり、中学以降に継続6年以上、通算8年以上の運動歴が必要になります。
■臨床心理士
臨床心理士資格認定協会が認定する臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人の“こころ”の問題にアプローチする心の専門家です。臨床心理士になるには、資格試験に合格することが必須要件となりますが、資格試験を受けるためにはあらかじめ臨床心理士養成に関する指定大学院または専門職大学院の修了が必要となります。
■メンタルヘルス運動療法士
スポーツ精神医学会が認定する主に精神科領域で運動を治療的に用いる専門職です。スポーツ精神医学会の会員が対象なので、医師だけでなく看護師や理学療法士など様々な医療系従事者、運動指導関係者も対象となります。医師でなくてもメンタルヘルス運動指導士の資格を持った精神科医の指導の下で精神科患者の運動療法の計画・立案、実施等に関わった経験が必要になります。
日本スポーツ心理学会(https://www.jssp.jp/index.html)
日本スポーツ精神医学会(https://www.sportspsychiatry.jp/)