スポーツの現場において、昨今はさまざまな測定ツールが発展して、体の状態を測定することが気軽に行えるようになってきました。ですが、だからこそ考えていただきたいことがあります。
「その測定は何のために行いますか?」
気軽に測定ができるから「とりあえず測ってみよう」という状況をよく見聞きします。ですが、そもそもスポーツの現場においては、最終的な目的は多くの場合は「勝利する」ということでしょう。
つまり、勝利に結びつかない測定は無駄な測定と言えるかもしれません。(直接的にはわかりづらい、しかし勝利へのプロセス上で必要な測定というものは多数ありますが。)
ですが、簡単に測定できてしまう昨今だからこそ、安易にとりあえず測定という、目的がはっきりとしない測定が横行してしまっている状況ではないかと思います。
とりあえず測定ということ自体が絶対的な悪とは言えませんし、予備測定を先に行って、その結果から仮説を立てることなどもあります。
しかし、何も考えずに測定をしてしまうと、リスクもあるということは理解しておきましょう。
1.測定条件が不明確で、同じ条件で測定したはずの過去の履歴や他者の結果と比較がうまくいかない。
2.限定した条件下での測定にも関わらず、どのような場合もそうなると誤認してしまう。
3.本来評価したい内容を示す指標とは違うものを測定してしまう。
4.評価したい内容に対して、測定系の精度が足りていない。
挙げればまだまだあると思いますが、いずれの場合も、結果から事実誤認をしてしまい、間違った指導や練習をしてしまう可能性があります。せっかくの勝利のための測定のはずが、逆効果になってしまいかねません。
そのようなもったいないことを防ぐためにも、測定は計画的に行ってください。